2009年来日以来、新作を発表し続けているゴルマリヤム・マスウード・アンサリー〈Golmaryam Masood Ansari〉
これまで、”生と死” Re-birth展 (2011), ”変化と矛盾” Our Time展 (2012), ”喜びと恐れ” Masih展 (2013) ・Chaos‐混沌‐展 (2014)そして”女性の闇と光” Woman‐女性‐展 (2015) のテーマに取り組んできました。
どのテーマも彼女自身の身近な出来事から感じた内的な混乱や矛盾から着想を得ています。例えば、日本での初の個展であるRe-birth展 (2011)では、身近な家族の死、東日本大震災 (2011)を経て誰もが避けることのできない死の先にある新たな誕生を表現しています。またMasih展 (2013) 及び,Chaos‐混沌‐展 (2014)では、2011年に息子Masihを授かった経験を通して感じた、喜び、不安と緊張、重圧を表しています。彼女はこの矛盾した心境を「我が子の存在で生じた天国と地獄の間に揺れる」と表現しています。
今回展示するシリーズ作品「Woman‐女性‐」は、社会が女性に求める美しさ、女性らしさに縛られることで女性が感じる不自由さと重圧をテーマにしています。このテーマは、様々な社会においてその文化的背景や社会の仕組みに応じて多少の違いがあるものの、長い歴史のなかで女性に求められてきた社会的仮面の重圧、そしてその仮面を破壊し、自らの手で再構築しようとする姿勢は共通しているように思われます。
略歴
1981年 テヘラン生まれ
テヘラン自由芸術大学で絵画を専攻
デッサン、美術批評理論、世界美術史、フェミニズム美術史を学ぶ。
各種グループ展、ビエンナーレに出品
2009年より神奈川県在住
Curator, Persian Interpreter & Researcher